2009年10月22日木曜日

X.400シリーズ

X.400シリーズとは、ITU-TS(国際電気通信連合・電気通信標準化セクタ)の勧告の一つで、電子メールシステムを実現するための仕様を定義したもの。X.400番台の30個の勧告で構成される。

 X.400で定義される電子メールシステムは「MHS」(Message Handling System)と呼ばれ、OSI参照モデルのアプリケーション層(第7層)のプロトコルで構成される。1984年、現在のITUの前身であるCCITTが最初のバージョンを勧告し、1988年の改訂版でISO(国際標準化機構)による電子メール標準の「MOTIS」(Message-Oriented Text Interchange Systems)と仕様が共通化された。

 MHSはメッセージ配信を行なうMTA(Message Transfer Agent)、受信したメッセージを保存するMS(Message Store)、ユーザが操作するUA(User Agent)などで構成され、それぞれの機能や動作、通信する際のプロトコルなどが定められている。

 MHSは電子メールシステムとしては広く普及することはなく、インターネットの普及に伴ってSMTPやPOPなどを組み合わせたTCP/IPベースのシステムが普及した。今日電子メールと呼ばれるものは特に注釈がない場合はこちらを指す。MHSは日本のEDI標準の一つであるH手順のメッセージ交換システムとして採用された例などがある。

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