2009年10月26日月曜日

ファイルローグ事件

ファイルローグ事件とは、日本MMO(有限会社日本エム・エム・オー)が開発・公開していたP2Pソフト(ファイル共有ソフト)「ファイルローグ」が、市販の音楽CDからの違法コピーにより著作権を侵害しているとして訴えられた事件。

 同ソフトは無料でダウンロードし、利用することができ、2001年11月にファイル交換サービスが開始された。ファイルの種類やサイズに制限はなく、どのようなファイルでも送受信することができる。共有ファイルのリストは同社の管理するサーバに送信され、その中からほしいファイルを選択、受信する中央サーバ型になっていた。

 2002年1月、市販の音楽CDからコピーした楽曲データが違法に交換されているとして、日本レコード協会(RIAJ)、同協会会員のレコード会社19 社、日本音楽著作権協会(JASRAC)が同サービスの停止を求める仮処分を申請、同2月には合計約3億6500万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。東京地裁は仮処分を認め、同4月にファイルローグはサービスを停止、2003年12月の判決では総額約6700万円の損害賠償金の支払いを命じる判決を下した。

 公判では、日本MMOが音楽著作物の権利を侵害しているか否かが主に争われたが、単に交換の場を提供しているに過ぎないとする日本MMOの主張は退けられ、違法MP3ファイルが交換されることを容易に認識できたにも関わらず十分な防止措置を講じなかったとして、日本MMOに過失があったと認定された。日本MMOが講じていると主張した、違法送信者に公開停止を命じる手続きについては、利用者の本人確認などが行なわれておらず実効性が無いとして退けられた。

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