2009年10月23日金曜日

コンテンツデリバリサービス 【CDS】

コンテンツデリバリサービスとは、世界中のプロバイダにWebコンテンツのコピーを蓄えたサーバを配置し、ユーザを最寄のサーバにアクセスさせることで、コンテンツ配信を効率化・高速化するサービス。

 大手商用Webサイトは、インターネットユーザの増加と帯域のブロードバンド化、コンテンツ量の増大により、年々増大する配信コストの負担が重荷となってきた。

 これまでは、サーバの拡張や上位機種への買い替え、回線の高速化など、設備投資を拡充するしかアクセスの増大に対応する手段はなかったが、コンテンツデリバリサービスの登場により、こうした直接的な投資に比べれば低廉な料金で、全世界に配信サーバ群を配置して負荷分散を行なうのと同じ効果が得られるようになった。このため、現在では世界の大手サイトがこのサービスを利用している。

 コンテンツデリバリサービス各社は、大手ISPの施設に自前の配信サーバ(「エッジサーバ」と呼ばれる)群とそれをつなぐ回線網を持ち、契約社のネットワークの「入り口」に、負荷分散装置を設置する。

 この装置は、コンテンツにアクセスしてきたユーザのIPアドレスなどをもとに、「もっとも近い」配信サーバを選び、そこにアクセス要求を回送する。

 契約社はあらかじめ自社コンテンツを各エッジサーバにコピーしておくことにより、自社サーバや回線には負担をかけずに多数のユーザをさばくことができる。

 配信能力は余裕を持って供給されるため、ニュース配信のWebサイトが大事件の発生で急激にアクセスが増えた場合などでも、回線やサーバをパンク状態に追いやらずに済むというメリットもある。

 当初はテキストや画像などの単純なコンテンツが対象だったが、近年では動画のストリーミング配信を効率的に行なうサービスや、データベース処理を伴う動的なコンテンツ配信をサポートしたサービスなど、高度なサービスが登場している。

 この分野の先駆けとなったAkamai社やDigital Island社は急成長を遂げ、多くの顧客を獲得した。今後もネットワークのブロードバンド化、コンテンツのマルチメディア化が進むにつれて成長が期待される分野である。

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