2009年10月22日木曜日

Share

Shareとは、日本で開発・配布されているファイル共有ソフトの一つ。Shareの起動しているコンピュータ(ノード)間で、インターネットを介してファイルをやり取りすることができる。Windows環境で動作する。2004年1月に最初のバージョンが公開された。

 2003年末頃、当時人気の高かった同種のファイル共有ソフト「Winny」(Winny2)で著作権法違反の逮捕者が続出し、作者が家宅捜索を受けるといった事態を受け、大規模掲示板サイト「2ちゃんねる」のファイル共有ソフト関連の掲示板での議論からShare開発がはじまった。このような経緯から、Shareを「Winnyの後継ソフト」のように捉える見方も多い。ただし、ShareはWinnyとの直接の互換性は無く、新たな仕様で開発されたソフトウェアである。

 ShareはWinnyと同じく、中央集権的なサーバを使用せずに各ノードが対等の関係をもって通信を行うP2Pネットワークの仕組み(ピュアP2P) を利用している。各ノードはP2Pネットワーク上でファイルを検索してダウンロードすることができ、自身の持っているファイルをP2Pネットワーク上に配布することができる。

 いったん配布されたファイルはキャッシュという形でネットワーク上のあらゆるノードに拡散し、2次的、3次的に配布されてゆく。ダウンロードの際、ユーザはどのノードからダウンロードしているかを知ることはできず、また自分がどのキャッシュファイルを誰にアップロードしているかは知ることができない。また通信はすべて暗号化されるため、Winny同様に各ノードの匿名性が高いと言われる。

 ShareにはWinnyに無い特徴として、「拡散アップロード」と呼ばれる機能があり、適当な相手に自分の持つキャッシュを能動的にアップロードするようになっている。オリジナルのファイルを持つ一次ノードからの送信は基本的には拡散アップロードによって行なわれ、配布元の匿名性を高めつつ、配布元がボトルネックになるのを防ぎ迅速な配布を可能としている。代わりに、Winnyにあった転送の中継機能は実装されていない。ShareはWinnyと違って完全なキャッシュを持たないノードもファイルの送信に参加するため、ファイルの拡散は迅速に行なわれるが、ファイル全体を保持しているノードが少なくなりがちで、時間が経つにつれ全体を入手するのが困難になる傾向が指摘されている。

 Shareはプラグインによって機能を拡張することができ、有志によって便利なプラグインが開発・公開されている。Winnyではディスク容量を使い切るまで無制限に増えていったキャッシュは、Shareでは最大容量を指定して制限することができるようになった。また、再起動しなくてもアクセスの少ないキャッシュが自動的に削除されるため、連続使用時の使い勝手が向上している。Winnyでは転送するファイルは2GBまでに制限されていたが、Share では32GBまでの容量に対応している。同種のファイルを交換するノードが集まりやすくなるクラスタ機能も拡張され、Winnyでは3つまでだったキーワード指定が5つまでになり、あらかじめ登録した255個までのキーワードから好きなものを選択して登録することができるようになった。

 Shareの作者は、著作権法に反するような利用は控えるように警告しているが、音楽ファイルや映画・テレビ番組等の動画ファイル、ゲームのROMイメージなどの多くの著作物がShareによって不正に配布されているのが実状である。

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