2009年10月20日火曜日

Napster 【ナプスター】

Napsterとは、1999年1月に発表された、インターネットを通じて個人間で音楽データの交換を行なうアプリケーションソフト。また、同ソフトの開発・配布と楽曲リスト共有サーバの運営を行なう同名の企業。あるいは、同社が2003年10月に開始した音楽配信サービス。

 音楽ファイル共有ソフトとしてのNapsterは、当時ノースイースタン大学の学生だったショーン・ファニング(Shawn Fanning)氏が開発・公開したもので、ユーザのパソコンに保存されているMP3形式の音声ファイルのリストをNapster社の運営するサーバに送信する。これを世界中のユーザが共有することにより、互いに他のユーザの所持する音楽ファイルを検索し、ダウンロードすることができる。中央サーバはファイル検索データベースの提供とユーザの接続管理のみを行っており、音楽データ自体のやり取りはユーザ間の直接接続によって行われている。

 Napster登場当初はアメリカの大学生の間で大流行し、回線への負担の大きさから利用を禁止する大学が続出し、話題となった。Napsterで流通している音楽データの多くが市販のCDなどからの違法コピーであることから、Napster社は全米レコード工業会(RIAA)に著作権つき楽曲データの発見と排除(事実上の運営差し止め)を求め提訴され、2000年7月に敗訴、サービスを停止した。

 Napsterは多数の個人を直接つないで情報を共有する「P2P」(Peer to Peer)と呼ばれるインターネットの新しい利用形態を提示した初めての大規模なサービスであり、これに刺激を受けて類似のソフトやサービスが多数公開された。P2Pネットワークで共有されるファイルは画像や動画、ソフトウェアなどに広がり、世界各国でファイル共有ソフトと著作権をめぐって多くの事件が起き、政府や有力企業、団体を巻き込んだ大規模な論争を呼び起こした。

 Napster社はファイル共有サービスの停止後、2003年5月にアメリカのソフトウェアメーカーRoxio社に買収され、同年10月にインターネットを通じてDRM技術で著作権保護が施された楽曲データを有料で配信する音楽配信サービスを開始した。2004年8月にはRoxio社自身が Napster社を吸収合併し、社名をNapster社に変更している。

 新生Napster社は日本ではタワーレコードと合弁でナップスタージャパン株式会社を設立し、2006年10月から音楽配信サービスNapsterを開始した。1曲150円で購入できるコースと、月額1,280円(携帯音楽プレーヤーに転送する場合は1,980円)でダウンロードし放題というユニークな料金体系のコースを用意しており、NTTドコモと提携して携帯電話向けにも配信サービスを提供している。

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