2009年11月19日木曜日

エコーキャンセラ

エコーキャンセラとは、電気信号や音声の出力が入力機器に拾われてエコーやハウリングを起こすのを防止する機器や技術。

 電話の場合、スピーカーから出力された音声をマイクが拾ってしまい、エコーやハウリングを起こすことがある。これを防止するため、電話機の中にはエコーキャンセラが内蔵されている。マイク、スピーカーと音響機器との間でエコーやハウリングを除去する働きを持つ外付けの機器もある。

 公衆電話回線を流れる電気信号でも、このように「エコー」と呼ばれるノイズが混入することがある。現在ADSLで用いられている「FDM方式」では、上り信号(25KHz~138KHz)と下り信号(138KHz~1104KHz)で使用する周波数帯域を厳密に分離し、エコーが混入しても問題ないように規格を定めている。

 これに対し、上り信号で使用する周波数帯域を下り信号でも使用することで下りの速度の改善を可能とする拡張規格が2002年秋から実用化され、高速ADSLサービスとして各社が売り込んでいる。こうした伝送方式を「スペクトルオーバーラップ伝送」という。スペクトルオーバーラップ伝送させた信号を分離させるためにエコーキャンセラ技術が用いられている。

 Yahoo! BBが採用する「Annex A.ex」とアッカネットワークスが採用する「C.x」はどちらもエコーキャンセラ技術を採用しているが、両者には多少の差異がある。Annex A.exにおけるエコーキャンセラ技術「EC方式」は、単純に従来上り信号のみで用いていた帯域を下り信号も用いることでスピードアップを図る方式である。

 これに対して「C.x」方式は、ISDNとの干渉を考慮し、ISDNと同期取った上でISDNと干渉しないタイミングでデータ伝送量をきめ細かく制御することで回線の高速化を図る手法である。C.xはAnnex A.exよりも複雑な構成となり、モデム等も高コストのものとならざるを得ない。

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