2009年11月18日水曜日

S=1/2

S=1/2とは、ADSLの規格を定めるG.992.1のオプション仕様の一つで、誤り訂正符号のデータ量を削減して通信速度を向上させる技術。

 G.992.1ではリードソロモン符号という誤り訂正符号を採用しており、この符号は訂正を可能とするビット数が長いほど誤り訂正符号のビット数も長くなる。この訂正ビット数をG.992.1で規定されている値(S=1)の半分に抑え、その分をデータ本体の転送に割り当てる技術がS=1/2である。

 S=1/2技術を使用したADSL回線では、理論上は最高で16Mbpsでの転送が可能になる。しかし、実際には信号の減衰や他の回線からの干渉があるため、実質10Mbpsから12Mbps程度の転送速度が限界とされている。

 S=1/2による高速化は簡単に言うと「エラー訂正を簡略化する」ことで実現されるため、元の状態でエラー訂正が過剰に行われていると言えるほど回線状態のいい場合でなければ、高速化のメリットを享受することはできない。具体的には、8Mbpsサービスの場合、リンク速度が8Mbps、実際のダウンロード速度でもおよそ6Mbps以上が出る回線でなければ、S=1/2の効果はない。

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