2009年11月19日木曜日

クアドスペクトラム 【quad spectrum】

クアドスペクトラムとは、ADSLの下り通信に使う周波数の上限を従来の4倍弱に広げ、下り通信を高速化する技術。2003年に各社が発表した40Mbps超のADSLサービスで採用されている。

 ITUが標準化した、日本向けのADSL技術の標準規格G.992 Annex Cでは、下り通信に138~1104kHzの帯域が使われる。クアドスペクトラムでは138~3750kHzの帯域を使い、従来の約4倍にあたる40Mbps程度の通信速度を実現する。厳密に4倍にはなっていないが、3750kHz以上の周波数はVDSL上り通信に使われる周波数と重なってしまうため、利用できない。このため、実際のサービスではクアドスペクトラムに加えてハイビットローディングなどの技術を併用することにより、40Mbps超の通信速度を確保している。

 上限周波数を引き上げた分、従来より短い線路長で信号が減衰してしまうため、40Mbps超のサービスの恩恵を受けられるのはNTT交換局に近いユーザ(概ね500m程度と言われている)のみに限定されるが、フィールド実験では中距離のユーザでも従来より通信速度が向上する例が見られ、全体的なスピードの底上げにつながると期待されている。

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