IMS

IMSとは、固定電話網や移動体通信網など、これまで回路スイッチやパケットスイッチが異なっていた公衆通信サービスを、IP技術やインターネット電話で使われるプロトコルであるSIP（Session Initiation Protocol）で統合し、マルチメディアサービスを実現させる通信方式。各国の大手通信事業者が次世代の公衆通信網としてIMS導入を計画している。

　IMSは、第3世代携帯電話規格の標準化団体であり、W-CDMAを策定した3GPP（3rd Generation Partnership Project）と、CDMA2000を策定した3GPP2（3rd Generation Partnership Project 2）によって標準化が行われた。もともとは3GPP「Release5」でNGN（New Generation Network）にSIPベースのマルチメディアドメインが加えられたことがIMS規格の端緒になっている。W-CDMA陣営の「3GPP」ではIMSと呼ばれているが、CDMA2000陣営の「3GPP2」ではMMD（Multimedia Domain）と呼ばれている。

　IMSがスポットライトを浴びるようになった理由としては、パソコンやWebブラウジングやメールのみならず、企業間のIP電話(VoIP、Voice over Internet)の普及、テレビ電話やケーブル放送などの映像送受信などのIP化の急速な進展、携帯電話による口座管理などの通話以外のサービスが利用されるようになったことが挙げられる。