iBurstとは、京セラと米ArrayComm社が共同開発した無線ブロードバンド通信規格。無線LANよりも大幅に広い数kmもの通信可能距離で、下り最大1Mbpsの通信速度を実現する。時速100kmで移動中でも、基地局の切り替え(ハンドオーバー)が行え、通信が継続できる。京セラではiBurstのイメージを表現する言葉として「無線版ADSL」という言葉を使っている。オーストラリア、南アフリカ共和国、アゼルバイジャン共和国、ケニア共和国においてすでに実用化されている。
iBurstは、複数の回線を多重化する方式としてTDMA/TDD方式を採用しており、5MHzの幅の周波数帯域を使用して1基地局あたり24Mbps、1端末あたり最大1Mbpsの通信速度を実現する。電波状況に応じて符号化および変調の方式を動的に変更できるリンク・アダプテーションと呼ばれる技術を利用することで通信速度を向上させているのが大きな特徴。
さらにiBurstでは、電波の指向性を高め、ひとつの端末に対して電波を集中させて強い電波を送信することができるアダプティブアレイアンテナを利用することで、エラー率を向上させている。また、アダプティブアレイアンテナを応用することで各端末への電波の位相と振幅を調整し、同じ周波数を最大3台の端末で効率的に利用できるSDMAと呼ばれる技術も採用されている。
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